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夫婦・カップルとサウナ——貸切から自宅へ

執筆:榎(水回り施工40年・KOYO代表)公開:2026年9月

「貸切サウナが人気なのは分かるけど、うちにも同じことができるのでは」——カップルや夫婦のお客様からよくいただく相談です。貸切個室サウナの魅力は突き詰めれば「二人だけで、誰にも気を使わず」ということ。それなら自宅でも十分に叶います。ここでは貸切の相場感を10年で数える方法、自宅との分岐点、そして2人で入るときならではの悩みまで、正直に書きます。

1.結論:貸切の魅力は「二人だけ」——それは自宅でも変わらない

結論を先に言います。貸切個室サウナの一番の価値は、二人だけで誰にも気を使わず過ごせることだと思っています。混雑した施設で他人と居合わせるより、恋人や夫婦の時間に使いたい——その気持ちはよく分かります。

そしてこれは、自宅サウナでもまったく同じ形で手に入ります。というより、自宅のほうが徹底しています。予約も、時間制限も、隣の個室の物音もありません。決めるのは自分たちの都合だけです。

ただし、これも金額だけで語れる話ではありません。まずは貸切個室サウナに通うと10年でいくらになるのか、同じ数え方で見ていきます。

2.貸切個室サウナの相場感を、10年で数えてみる

貸切個室サウナの利用料は、地域や設備でまるで違います。ここでは弊社の実例調査ではなく、計算の仕方を示すための前提として、2人利用で1回3,000円・5,000円・8,000円という3通りを置いて考えてみます。相場を示す数字ではありません。実際にお使いの店舗の料金に置き換えて読んでください。

式は自宅サウナと施設通いの記事と同じです。1回の利用料 × 年間の回数 × 10年。月1回のペースなら年12回、月2回なら年24回、週1回なら年48回として計算します。

1回の利用料月1回(年12回)月2回(年24回)週1回(年48回)
3,000円約36万円約72万円約144万円
5,000円約60万円約120万円約240万円
8,000円約96万円約192万円約384万円

月1回で済む方もいれば、記念日だけの特別な場所という使い方もあります。「たまにのご褒美」なら、貸切個室サウナはコストパフォーマンスの良い選択だと思います。頻度が上がるほど、この表の数字は大きくなります。

3.自宅サウナ側の10年——同じ計算式に当てはめる

自宅サウナ側の10年の出し方は、自宅サウナと施設通いで使った式と同じです。ここでは同じ式を、貸切個室サウナ×2人利用というケースに当てはめます。初期費用は現地調査をしないと出せません(サウナ設置の総額)。使い続けるお金は電気代が中心で、1時間あたり約120円、予熱と入浴を合わせて1回あたりおよそ180円が目安です(家庭用サウナの電気代)。

2人で入っても、1回あたりの電気代はほとんど変わりません。同じ部屋を温めるだけだからです。2人で使うほど、1人あたりのコストは下がるというのが、貸切個室サウナと違う点です。人数で頭割りにならず、回数だけがコストを決めます。

仮に週1回・2人で使うとすると、電気代は10年でおよそ8万6千円です。表の貸切側・週1回3,000円の144万円と並べると、差は歴然です。ただし初期費用が別に乗ることを忘れないでください。詳しい分岐点の出し方は、自宅サウナと施設通いの記事で式にしています。

4.2人で入るとき、温度の好みが合わない問題

自宅サウナでカップル・夫婦からよく聞くのが、「自分は熱いのが好き、相手はぬるいほうがいい」という温度の好みの違いです。施設の共用サウナ室では、置かれている温度に合わせるしかありません。自宅でも同じ問題は起きます。

対処の方向は主に2つです。ひとつは、時間をずらして1人ずつ好きな温度で入ること。自宅なら予約も順番待ちもないので、これが一番簡単です。もうひとつは、湿度で調整すること。ドライサウナは40〜110℃という幅の中で、実際は80〜90℃あたりが一番よく使われる帯です。対してスチームサウナは45〜55℃前後(40℃前後で入る方も)と低め(温度の記事)。同じ体感の温まり方でも、数字上の温度差は小さくできます。

職人からひとこと
「どちらかに合わせて我慢する」のがいちばん続きません。時間差で1人ずつ、というのが実は一番シンプルで、結局長続きします。二人で同時に入りたい日は、間を取った温度で妥協するより、ぬるめ側に寄せたほうが会話が続きやすいと感じています。

どちらが正解ということはありません。二人でどう使いたいかで選び方は変わります。機種の選び方もあわせてご覧ください。

5.2人でゆったり入るための広さ

2人で並んで入るなら、部屋の広さも1人用とは変わります。家庭用サウナに必要な広さで書いたとおり、1人用のコンパクトな置き型で実質1畳強からですが、2人以上・ゆったり型は1.5〜2畳以上を見ておくのが現実的です。ベンチを広く取る、横になれるようにする、となるとさらに広さが要ります。

既存の浴室にスチームを後付けする方法なら、専用の床面積そのものが要りません。浴室の広さ次第ですが、多くの場合、今のユニットバスを2人で使えるスチームサウナに変えられます。可否は現地で確認します。「広い部屋は取れないが2人で入りたい」という方には、こちらのほうが現実的なことが多いです。

6.貸切にしかないもの、自宅にしかないもの

正直に両方書きます。貸切個室サウナにしかないものは、非日常感です。外出そのものがイベントになりますし、施設によっては広い水風呂や外気浴のスペース、凝った内装があります。記念日や特別な日には、そちらのほうが向いていると思います。

自宅サウナにしかないものは、頻度と気軽さです。「今夜、ちょっと入ろうか」がその場で決まります。すっぴんでも、髪をまとめなくても構いません(女性とサウナでも書きましたが、これは女性だけの話ではありません)。回数を重ねるほど、この気軽さの価値は大きくなります。

たまにの特別なら貸切、日常の習慣にしたいなら自宅——これが、正直な棲み分けだと思っています。

7.まずやること:写真1枚から

貸切個室サウナに通う頻度と金額は、今日すぐ出せます。いつも使っているお店の料金と月の回数を、10年ぶんに掛けてみてください。

自宅に入れた場合の初期費用は、現場を見ないと出せません。分電盤の空き、搬入経路、置きたい場所の広さで大きく変わります。総額は現地調査のうえ最初に提示し、後から追加請求はしません。

最初の一歩は、浴室や置きたい場所の写真1枚で構いません。二人で使うイメージがあれば、それもお伝えください。新横浜のショールームで実機を体験していただくこともできます(体験する・予約制)。

※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。本文の貸切個室サウナの利用料(3,000円・5,000円・8,000円)は計算の前提として置いた数字であり、相場や特定店舗の料金を示すものではありません。電気代は1kWhあたり30円・1回およそ1.5時間で試算した目安で、契約プラン・地域・季節・機種・断熱・使い方によって変わります。初期費用は現場の条件によって変わります。各機種の定価は価格表・機種ページをご確認ください。具体的なご相談はこちらから。

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