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テントサウナと屋内サウナ

執筆:榎(水回り施工40年・KOYO代表)公開:2026年10月

テントサウナと、自宅の常設サウナ。どちらにするか迷う方は少なくないと思います。KOYOが扱うのはTYLÖの屋内サウナなので、放っておくと屋内に肩入れした話になります。そこは先に断ったうえで、手間・火・お金・天気の順に、薪と電気で何が違うのかを整理します。

1.結論:テントは「出かける日」、屋内は「毎日」

先に立場を書いておきます。KOYOはTYLÖの屋内用サウナを売る側です。テントサウナを悪く言うつもりはありませんし、いいところは後の章でちゃんと書きます。ただ、比べる軸は一つに絞ったほうが話が早い。続くかどうかです。

見ていくのは、この4つです。

  • 手間——設営・点火・片付けを、入るたびにやるか
  • 火——薪ストーブの扱いと、置ける場所の制約
  • お金——薪は使うたびに買い、電気は使った分だけ払う
  • 天気——外に張るか、家の中に置くか

結論です。週に何度も入りたいなら屋内、年に数回、景色の中で入りたいならテント。どちらが上という話ではなく、使う頻度で決まります。両方あってもいいと思います。

2.入るまでの手間

テントサウナは、まず設営があります。販売店の組み立て解説では、最初は15〜20分ほど、慣れれば10分程度と書かれています。火をつけたあとも、すぐには入れません。いったん外に出て15分ほど様子を見て、煙突から出る煙が透明に近くなってから入る、という手順です。ただし煙の色だけで安全は判断できません。一酸化炭素は無色無臭なので、一酸化炭素チェッカーの使い方も含めて、製品の取扱説明書に従うことになります。入ったあとは、火の始末をして、冷めてから片付けて、濡れたテントを乾かす。乾かさずにしまうと、カビの原因になります。

屋内の電気式は、スイッチを入れて待つだけです。待つ時間は機種と部屋の大きさで変わります(電気代の計算では、予熱と入浴で1回およそ1.5時間と置いています。家庭用サウナの電気代)。片付けはありません。入ったあとは換気して乾かす、それだけです(お手入れと寿命)。

職人からひとこと
「設営10分」は慣れた人の数字です。大事なのは、入りたいと思った日に、その10分と片付けをやる気力が毎回残っているかどうか。ここで続く人と続かない人が分かれます。

3.火を使うということ

薪ストーブは、文字どおり火を焚きます。テントの中で火を使う以上、やけどや火の粉、一酸化炭素への注意は欠かせません。使い方は製品の取扱説明書に従うことになります。

置ける場所にも制約が出ます。住宅地の庭で焚けば、煙とにおいは隣へ届きます。キャンプ場や河原のように、火気の扱いに決まりのある場所もあります。どこで焚いていいかは、地域と場所のルールを先に確認する話で、ここで一律には書けません。

屋内の電気式にも条件はあります。電源の確保や工事が要る場合があり、置く場所の確認も必要です(200V電源工事の話)。ただ、火の始末はありません。家族に任せて出かけても、火の心配をしなくていい。これは毎日使う道具としては大きい差です。

4.お金——薪は消耗品、電気は1時間約120円

テントは、入るたびに薪を使います。販売店の回答では、キャンプ場やホームセンターで売られている薪1束で、1〜2時間ほど使えるという回答がありました。薪の値段は店・地域・樹種で違うので、ここに金額は書きません。

屋内の電気代は、メーカー(TYLÖ/輸入元オストコーポレーション)の目安は、1時間あたり120円くらいから(1kWhあたり30円で試算)です。1回は予熱込みで約180円、週3回で月およそ2,200円になります(計算の前提は電気代のコラムに書きました)。

初期費用は構成が違います。屋内は本体のほかに工事が乗るので、総額はサウナ設置の総額で見てください。テント側の本体価格は製品ごとに幅があるので、ここでは比べません。どちらが得になるかは、入る回数と薪の値段次第で、線は引けません。

5.天気・季節・水風呂

テントは外に張ります。雨、風、雪、夏の暑さと虫。天気が悪い日は、入らないか、覚悟して入るかです。冬は、外の寒さの中で脱いで、また着ることになります。寒い時期の、家の中の温度差とヒートショックの話は冬のサウナに書きました。

屋内は、天気を選びません。夜でも、雨でも、同じように入れます。

冷やす場所も違ってきます。テントは川や湖、水を張った容器など、その場にあるもので工夫します。自宅の場合は、浴室のシャワーを含めて冷やし方が4つあります(自宅サウナの水風呂)。

6.テントのいいところも、正直に

テントにあって、屋内にないものがあります。景色です。山や湖のそばで、サウナのあとに外の空気に当たる。あの気持ちよさは、浴室の中では作れません。持ち運べるので、旅先や友人との集まりに持っていけるのも強みです。

薪の火で温まる感じを好む人もいます。これは好みの話で、電気より優れているとも劣っているとも言えません。「イベントとして楽しむ」なら、手間は手間ではなく楽しみの一部になります。

手間が楽しみに変わるのは、年に数回の特別な日だからです。それが毎日になれば、同じ手間が負担に変わる。ここが、テントと屋内の本当の分かれ目だと考えています。

7.迷ったときの選び方

迷うなら、次の順で考えてみてください。

  1. 月に何回入りたいか——月1〜2回ならテント、週に何度もなら屋内
  2. どこで入るか——庭で焚けるか、浴室や脱衣所に置けるか
  3. 準備と片付けを毎回できるか——疲れた日に、それでも入りたいか
  4. 火を使える環境か——近所への煙、場所のルール

屋内で迷っているなら、スチームサウナには今の浴室に後付けする方法もあります(スチームサウナとは)。実際の熱の感じ方は、新横浜のショールームで体験していただけます(ご予約制です。体験のご案内)。

テントか屋内か、どちらが正解ということはありません。毎日入りたくなるのはどっちか、で選んで大丈夫です。

※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。テントサウナの設営時間や薪の持ち時間は、販売店が公開している目安で、製品や使い方によって変わります。火気の扱いは製品の取扱説明書と、利用する場所のルールに従ってください。屋内サウナの電気代や価格は価格表・機種ページをご確認ください。具体的なご相談はこちらから。

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