「サウナを入れるには200Vが必要」——これは事実ですが、内容を正しく説明している記事は意外と少ないです。単相と三相の違い、費用が何で変わるのか、誰が工事できるのか。現場でいつも聞かれることを、順番に説明します。
家庭の一般的なコンセントは100Vです。サウナヒーターは家庭用でも6.6〜8kW、スチーム発生器も3〜9kWの出力があり、これを100Vでまかなおうとすると電流が大きくなりすぎて現実的ではありません。だから200Vの専用回路を引きます。
「専用回路」というのがポイントで、他の家電と共用しません。分電盤から新しい配線を1本、サウナのためだけに引いてくるイメージです。エアコンやIHクッキングヒーターと同じ考え方ですが、サウナは出力が大きいぶん、必要な容量も大きくなります。
参考までに、TYLÖの主なヒーターの出力と電流は次のとおりです。
| 機種 | 出力 | 電源 | 目安の適合体積 |
|---|---|---|---|
| SENSE SPORT 2/4 | 4.5kW | 単相200V専用 | 2〜4.5m³ |
| SENSE SPORT / ELITE | 6.6kW | 単相・三相200V兼用 | 4〜8m³ |
| SENSE SPORT / ELITE | 8kW | 単相・三相200V兼用 | 6〜12m³ |
| SENSE COMMERCIAL | 10.7 / 16kW | 三相200V | 10〜35m³ |
※全機種の仕様は価格表に掲載しています。
200Vには単相と三相があります。ざっくり言うと、一般のご家庭に来ているのは単相です。三相(動力)は工場や店舗で使うもので、住宅では通常契約していません。
TYLÖのヒーターは6.6kW・8kWのモデルなら単相・三相の兼用なので、ご家庭でも単相200Vで動きます。ここは安心してください。一方、10.7kW以上の大型機は三相専用になるため、住宅では現実的ではありません(別荘や店舗で三相契約がある場合は別です)。
職人からひとこと
「200Vが必要」と聞くと大掛かりに思われますが、エアコン用の200Vを引いたことがあるお宅なら、考え方は同じです。特別なことではありません。
電気工事の費用は「いくらです」と一律に言えません。理由は、現場ごとに条件が違うからです。大きく次の3つで変わります。
① 分電盤からサウナまでの距離
配線の長さがそのまま費用に効きます。分電盤のすぐ近くに設置するのと、家の反対側まで引くのとでは差が出ます。
② 分電盤に空きがあるか・容量が足りるか
ブレーカーを増設する空きがあればスムーズです。空きが無ければ分電盤の交換、契約容量が足りなければ電力会社への容量変更申請が必要になります。ここが増えると費用も工期も変わります。
③ 配線ルートを隠せるか
天井裏や壁内を通せれば見た目がきれいですが、通せない場合はモール(配線カバー)で露出配線になります。仕上がりの希望によっても変わります。
だから弊社では、現地調査をしてから電気工事を含めた総額でお見積りします。「本体はいくら、工事は後から」という出し方はしません。
200Vの配線工事は、電気工事士の資格を持った人でなければ法律上できません。これは電気工事士法で決まっていることで、資格の無い人がやると違法です。「自分でやります」「知り合いの器用な人に頼みます」は、絶対にやめてください。火災につながります。
弊社は水回り施工が本業なので、給排水・防水・下地・据付は自社の職人が一貫して行い、200Vの電源工事は有資格の協力会社と連携して施工します。ここを曖昧にする業者には注意してください。
よく聞かれる質問です。メーカー(TYLÖ/輸入元オストコーポレーション)の目安では、家庭用でおおよそ1時間あたり120円くらいからとされています(1kWあたり30円で試算した場合)。
ただしこれは目安で、実際はヒーターの出力・部屋の断熱性能・使う時間・お住まいの電気料金プランで変わります。特に断熱は効きます。断熱がしっかりした部屋は設定温度に早く達し、そのあとの維持電力も少なくて済みます。
逆に言えば、断熱をケチると毎月の電気代でじわじわ損をします。初期費用だけで判断しないほうがいい部分です。
お問い合わせの前に、これがあると話が早いです。
この3つがあれば、「そのままいけそう」「分電盤の交換が要りそう」「容量変更の申請が必要そう」くらいの見立ては、現地に行く前にお伝えできます。
※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。実際の可否・費用・工法は現場の条件によって変わります。具体的なご相談はこちらから。