「サウナに入った日はよく眠れる」。これはお客様からもよく言われますし、私自身もそう感じます。ただ、いつ入っても同じように効くわけではありません。眠りに効いているのは、熱くなること自体よりそのあとの冷め方だからです。仕組みと、夜の入り方を順番に書きます。
先に結論を書きます。サウナが眠りに効くのは、体を温めたからではなく、温めたあとに体温が下がっていくからです。
人は体の内側の温度が下がるときに眠くなります。放っておいても夜になれば下がりますが、サウナで一度しっかり上げてやると、そのあとの下がり方が大きくなる。この落差が眠気の呼び水になります。冬に湯船へ浸かった夜が妙に眠いのと同じ理屈で、サウナはその振れ幅が大きいだけです。
ここが分かっていると、次の判断が変わります。寝る直前に熱くするのは、むしろ逆です。体温が上がりきったまま布団に入ることになるので、寝つきが悪くなる人がいます。効かせたいなら、下がる時間を残して出る。それだけです。
「ととのう」という言葉に、医学的な定義はありません。あくまで体験の呼び名です。ただ、体の中で何が起きているかは、ある程度説明がつきます。
熱い部屋に入ると、体は「これは非常事態だ」と判断して交感神経を上げます。心拍が上がり、血管が広がり、汗が出る。そこから涼しいところへ出て座ると、今度は一気にゆるむ方向へ切り替わる。この切り替わった直後の脱力感が、多くの人が「ととのった」と呼んでいるものです。水風呂を挟むと、この振れ幅がさらに大きくなります。
正直に書きますが、これは万能スイッチではありません。体調や睡眠不足の度合いによっては、切り替わりが起きずにただ疲れるだけの日もあります。冷やす工程は心臓や血圧への負担も伴うので、無理に振れ幅を大きくしにいく必要はありません。水風呂の入り方は自宅サウナの水風呂とクールダウンにまとめています。
いちばんよく聞かれるところです。目安は寝る1〜2時間前にサウナを出る。上がった体温が下がりきるのに、それくらいの時間がかかります。
短すぎると、まだ火照ったまま布団に入ることになります。逆に夕方の早い時間だと、寝る頃には体温がとっくに戻っていて、落差の恩恵は薄くなります。まずは1時間半前で試して、寝つきの感じを見ながら前後に振ってみてください。ここは体格や部屋の温度でも変わるので、自分の数字を見つけるのが早いです。
職人からひとこと
施設のサウナだと、この「寝る1〜2時間前」という時間帯が一番使いにくい。閉店時間があり、帰りの移動もある。家に着く頃には体温が戻っている、というのはよく聞く話です。自宅サウナがいちばん効くのは、実はこの時間の融通です。
どちらでも眠りには効きます。効き方の性格が違うだけです。
疲れている日や、翌朝が早い日は、私はスチームを勧めます。強い刺激は体力を使いますし、興奮して逆に寝つけないことがあるからです。頭が冴えてしまう日は、温度を下げるか時間を短くする。両方の違いはスチームvsドライ比較で寸法や設置条件まで並べています。
ちなみに、既存の浴室に後付けできるのはスチームの方です。専用の部屋を作らなくても、発生器を浴室から3m以内に置ければ成立します(スチームサウナとは)。
眠りのために入るなら、これは避けてください。
のぼせ・めまい・動悸を感じたら、その時点で出て休んでください。「気持ちいい」の範囲を超えたところに、眠りに効く要素はありません。
ここが一番言いたいところです。眠りに効くのは、一回の強さではなく頻度です。
月に一度、施設で限界まで振り切るより、週に二、三回、家で無理のない入り方をする方が、生活のリズムとしては効きます。移動も予約も閉店時間もないので、「今日は疲れているから短めに」という調整が効く。この調整のしやすさが、続くかどうかを決めます。
逆に言うと、置き場所が使いにくかったり、片づけが面倒だったりすると、続きません。それは設計の話なので、置く前に決められます。動線や内装の考え方は内装とデザインに、よくある失敗は後悔する7つの理由にまとめました。
眠りのためにサウナを考えているなら、順番はこうです。
KOYOは1985年創業、水回り施工40年、職人12名で、販売から設計・据付・アフターまで自社一貫でやっています。「眠れないから」という動機でのご相談も普通にあります。無理なものは無理と正直にお伝えしますので、まず写真を一枚どうぞ。
※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。眠りの感じ方には個人差があり、効果を保証するものではありません。持病のある方・服薬中の方・血圧が気になる方は、主治医にご相談のうえご利用ください。機種ごとの温度設定や仕様は価格表・製品ページをご確認ください。具体的なご相談はこちらから。